京福電鉄越前本線 勝山-大野間 廃線跡巡り

昭和49(1974)年8月12日に廃止された京福電鉄越前本線勝山-京福大野間の現在の様子をお伝えします。


京福越前本線はこの地に電力を供給した京都電灯が敷設した越前電気鉄道がルーツで、大正3(1914)年2月11日に福井-市荒川間で開業、同年3月11日に勝山、4月10日に大野口まで開通した。
昭和35(1960)年12月15日に国鉄越美北線南福井-勝原間が開業したことから収支が悪化、昭和49年に勝山-大野間が廃止された。

現在の勝山駅
ここから画面奥の方が廃線された区間

元は中間駅だったため、片面ホームに島式ホーム1本の国鉄形配線となっている

勝山駅より大野方向を見る
この先が京福大野まで延びていた
現在は夜間の留置線として使われている
蓬生駅跡
耕地整理が行われて跡形もない
大袋駅付近
線路跡は道路に拡張に使われた
大袋〜ウ崎信号場間に残る架線柱
番号票まで残っている
ウ崎信号場付近
ウ崎信号場〜下荒井六呂師口駅間
右に分かれる細い道が線路跡でこの先400mほど築堤が残っている
ここも40パーミルだった
下荒井六呂師口駅
駅舎が民家として再利用されている
軽トラから手前に延びるのはホームの縁石
画面奥に新トンネルの坑口が残る
新・下荒井トンネル大野側坑口
トンネルはCATVの電線路として利用されている
新在家駅
線路跡は歩道となり、島式ホームの跡が更地となって残る
中津川駅
片面ホームの上にあった待合所の廃材でバス停が作られた
越美北線との交差地
上はキハ120
大野口駅
貨物駅としての広大な敷地に公共施設が建てられた、
京福大野駅
ここに櫛形ホーム3本があった
京福大野駅
駅舎は銀行に建て替えられ、駅前広場は駐車場と化した

【参照】 わだちNo.115No.116No.117No.118に詳細なレポートがあります。


10年しか使われなかったトンネル

勝山大野両市境の下荒井トンネルは延長521.4mと当時の私鉄としては異例の長さを誇ったが、これが掘られたのは開業から10年後の大正13(1924)年12月20日のことで、それまでは山肌をぐるっと迂回していた。あたかも森林鉄道の様相であったがここにも短いトンネルがあり、現在もなおひっそりと余生を過ごしている。

勝山側坑口
大野側坑口
内部には待避所がある
線路跡
森林鉄道のよう

【参照】 わだちNo.105に詳細なレポートがあります。